君は私の唯一の光
「ここが、我が家だよ。」




洸夜たちと別れ、私は家族と一緒に家に向かっていた。




車が止まったのは、白を基調とした一軒家。記憶にある家とは違う。




「3年前に引っ越したんだ。ここの方が、病院に近いから。」




「そうなんだ。」




新しい我が家に、期待が込み上げる。





お兄ちゃんの紹介を元に、家の中に進んでいく。




そして……





「この部屋が、乃々のだよ。」





白いドアの向こうに、私の新しい部屋が広がってるんだ。



高鳴る鼓動を抑え、ドアノブを回し、押し開く。




桜の木の床、白の壁紙、1つの窓の空間。そして、経過観察の入院中に決めた、新品の家具。




全体的に、薄めの色合いで、主に白と薄ピンク。俗に言う、かわいらしい部屋だった。





「気に入った?」




「うんっ!」




期待を込めたお兄ちゃんの問いに、笑顔で頷く。




これからは、ここが私の居場所。





『乃々花、家はどうだった?』




洸夜からのメールも、返す答えなんて1つしかない。





『最高っ!』




今までで失った時間を取り戻すことはできない。




だからその分、これからの人生を楽しむんだ。




クロノスさん、この先どんな困難が立ち塞がっても、私、頑張るよ。




絶対、幸せになるから。
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