―――ファッション―――
彼女は車で直哉の事を思い出すと、『―――ごめんね・・・ごめんね・・・』と、ポロポロ涙が零れ落ち、『―――私・・・直哉が・・・』と言ってしまった。直哉が好きになってしまい、いつの間にか、こんな気持ちになれるとは、思っては行けなかった。今、夏休みに入る所で、凛は正樹との結婚式がある。直哉の事は、好きだけど、好きになっちゃいけない、そう思っていた―――。彼女は彼女なりに、2人に対して、全うな愛情表現をしていた。直哉と焼き肉を食べに行ったり、正樹とも、ケーキバイキングに行っていた。2人の男性を持つのは、駄目なのかしら―――?
『―――唯・・・好きなだけなのに―――』
その時、直哉から、駆け落ちしないか、そう言われて来た。凛は眼を丸くすると、ふわり、と抱きしめららた。彼女はじわっと泣き出すと、『―――わ・・・私・・・貴方が・・・好き。』と言った。彼女は正樹より、大事な人が出来てしまった。ずっと願っていた事でもある。正樹はスパルタで、何処へも連れて行ってはくれない。
『―――どうして・・・俺を裏切るんだ?お前は―――俺の嫁になるんだぞ?その覚悟はある、その筈ではなかったのか?』
凛はお辞儀すると。『―――ごめんなさい・・・』と謝り、他に好きな人が、出来てしまった。正樹はグッと唇を噛みしめると、『この・・・浮気者・・・』と言い、パシーン、と、平手打ちをした。直哉はその様子に、『―――何しているんだ・・・あんたは、自分の女房になる人に、何をやっているんだ。』と言い放った。

―――苦しい・・・痛い、怖い・・・

私、他に好きな人が出来てしまった。

正樹に殴られた―――それだけ、気持ちを踏みにじってしまった。

< 33 / 141 >

この作品をシェア

pagetop