―――ファッション―――
その正樹の言葉に、凛はハッと見張ると、直哉は吃驚してしまった。どうして、利恵の相談に乗らなかった。どうして、利恵を放って置けと言った。偽善者どもが―――。自分を五歳の時に、正樹が五歳の時に産まれて、十歳の時に、正樹と凛は結婚すると、言った筈だったが、直哉に取られていた。この悔しさが、分からないのか?―――。彼女は―――凛は正樹の気持が分かってしまった―――。凛はズキッと胸を痛めると、直哉は何も言えなくなってしまった。凛も何も言えなくなり、ボロボロと涙が零れ落ち、『ま・・・正樹・・・わ・・・私は―――。』と思い切り泣き出した。その様子に、正樹と直哉の姉が訪れると、『―――正樹・・・こんな女、放って置けと、言ったでしょう?何故、こんなところに着ているの?』と吐き捨てた。高橋詩織は遊佐の弟でもある。
高橋有佐の実弟であり、彼も慌てて部屋に入り、『―――直哉・・・大丈夫か?』と問い質した。
正樹はその様子に、敵わないと思い、そのまま部屋を出て行ってしまった。こいつには、敵わない。2人の絆はかなり強い。正樹は『―――利恵に・・・謝って来る・・・ちゃんと、付き合うって―――。其の方が良い、そう思った。悪かった。もう、来ないから―――。安心しろ―――。』と言い、凛は『―――ま・・・ま・・・さ・・・き―――』と、呼びかけた。それから、『―――ごめん・・・なさい・・・利恵ちゃんを・・・利恵を・・・幸せに・・・してあげて―――。』と言った。
『―――あぁ・・・分かった・・・直哉・・・もう、泣くな・・・俺は・・・もう降りるから。Dから、凛と幸せになれ・・・』
はっきりと言い、皆川康とマリアは安心した。両親達も吃驚していたが、騒動がなくなり、凛は笑っていた。
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