―――ファッション―――
凛はハッと見張ると、ドキドキ、とした。それから、高校生活の一部でもある、恋人からのプレゼントを受け取ってくれるか、心配になったが、とても喜んでいた。彼は眼を丸くすると、『―――お・・・旨そうな・・・パンじゃないか・・・ドレドレーーー。』と、興味深げに笑った―――。凛は直哉の喜ぶ様子に、安心してしまった。パンはとても美味しいし、食べて貰いたい―――。誰かに何かを食べて貰えるのは、とても嬉しい事だ。授業が難しくなり、こう言った時間も必要でもある。明日は、カニしゃぶが夕食で、日本人の彼等は吃驚としてしまった。実は、明日の夕食時に、ボン・クレイブさんをお呼びしようと思いまして―――小野恵ちゃんが笑って言った―――。
其の言葉に、凛と菜緒は吃驚してしまい、『―――えぇえぇぇぇ?』と思い切り叫んでしまった。
彼女は、凛や直哉も驚いており、父親の中谷和重が呼んだらしく、ボン・クレイブさんが来るらしい。ボン・クレイブさんは、講師の先生であり、此処の家に招かれたようで、イクラ丼を楽しみにしている。ボン・クレイブさんは両親の友達であり、気兼ねなしに来るように言っていたらしい。
凛と直哉は顔を見合わせると、山芋も揚げる事もしており、それも食事に出そうと思ったようだ。
凛は眼を丸くすると、『―――ボン・クレイブさん・・・本当にいらっしゃるの??』と聞いた。
凛ははっきり問い質すと、両親はニコッと笑った。それから、両親と恵ちゃんは顔を見合わせていた。彼女は一緒に食べ終わると、パンは全部食べてくれた。お菓子も人数分買っており、とても美味しい。ガーリックの匂いが漂ってくるし、山芋はとても美味しい。但し、焦げ過ぎに注意だ。とても美味しく出来る筈なのに、悔しかった。最初、恵ちゃんはそう言っていた。美味しい―――そう言ってくれる人がいるのは、とても嬉しい事でもあるが、本心を言ってくれると助かる―――。
この料理―――大好き―――。
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