身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
「キッズシアターっていってね、まりあみたいに小さな子でも映画館で映画を見られるんだよ。声出したり、泣いちゃってもOKなの」
「私たちで、映画を見てまりあちゃんにお夕飯食べさせておくから、ふたりは外でごはん食べてきたら?」

両親がにっこり笑い、修二は悟ったようだ。今日が自分の誕生日会でもあったことに。

「お義父さん、お義母さん、お気遣いありがとうございます」
「あまり遅くならないようにするからね」

私たちの言葉に母が嬉しそうに笑った。

「お泊りだっていいのにねえ」

父がまた渋面をつくって「無駄な気を遣うな」と言った。



「サプライズ?」

私の後について、改札をくぐる修二が言う。これから電車で移動なのだ。
私は頷く。

「そうよ。まあ、黙ってついてらっしゃい」
「楽しみ……というかすでに結構驚いてるよ。お義父さんとお義母さんも巻き込んで作戦練ってたの?」
「まあね。うちの両親もまりあが引っ越して寂しくてしょうがないのよ。親孝行もかねてまりあを預けたの」

修二に気を遣わせまいとそう答えた。まりあは初めての映画を楽しみに出かけていった。夏休み期間中、近所のショッピングモールでキッズシアターがやっていたのはタイミングがよかった。両親にまかせておけば安心だろう。
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