ズルくてもいいから抱きしめて。
ようやく自分の気持ちに気付くことができた。

私は天城さんが好き。

天城さんにもちゃんと伝えたい。

天城さんが出張から帰ってきたら、ちゃんと伝えよう。

私はスマホを取り出し、天城さんにメッセージを送った。

『出張お疲れ様です。
聞いて欲しいことがあるので、帰ってきたら時間作ってください。』

〜♪〜♪〜♪〜

天城さんにメッセージを送った直後、私のスマホが鳴った。

あれ?天城さんだ、、、電話!?

「はっ、はい!!もしもし!?」

「ハハッ、、、すげ〜慌てようだな。」

「だって、、、」

「『聞いて欲しいこと』って何?」

「えっと、、、それはまた今度で良いですよ、、、」

「今話せよ。ちゃんと聞くから。」

メッセージを送った途端に電話がかかって来るなんて思わなくて、まだ心の準備ができていない。

でも、今話さないといけない気がする。

今、ちゃんと自分の想い伝えないと、きっと私は前に進めないままだ。

「えっと、、、分かりました。じゃあ、話しますね。」

「うん。」

「私、この一週間すごく落ち着かなかったんです。天城さん全然帰って来ないし、連絡はほとんど無いし。そのくせ自分からは連絡する勇気も無くて、、、そんな自分勝手な気持ちにすごく腹が立ちました。」

「うん。」

「私、天城さんに会えなくてすごく寂しかったんです。電話でも良いから声が聞きたかった、、、」

「うん。」

天城さんは何も言わず、優しい声でただ『うん』とだけ相槌を打って聞いていた。

今なら素直になれる。

「私、、、天城さんが好きです。天城さんに早く会いたい、、、」

「うん。」

「あの、、、何か言ってくださいよ!私すごく恥ずかしいです。」

「、、、会えるよ。今すぐ。」

「えっ?」
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