夫婦未満ですが、子作りすることになりました

ご両親に「そういうこと言うな」と反論する零士さんだが、私が「まかせてくださいっ!」と空元気にガッツポーズまでしてみせたせいか、不安げな表情を向けている。

もうすべてわかってるから私は大丈夫。そんなに気を遣ってくれなくていいのに。今日ご両親の話を聞いて、あの若葉さんの言っていたことが本当だったと確認できた。神代家は私の遺伝子を使い、跡継ぎが欲しいだけだ。

「結婚はいつするの?」

お母様は待ちきれない、といった様子で零士さんに尋ねる。ここも打ち合わせしていない。

「それなんですがっ」

私はもういっぱいいっぱいになりながら口を挟んだ。遺伝子だけ。私はいらない。跡継ぎが産めなきゃお払い箱。明日菜の言葉がぐるぐると頭の中を駆け巡る。子どもを産まなきゃ。すぐにでも。

「私、結婚は、妊娠してからにしたいのですが……いかがでしょうか」

私が怪しいほど爽やかな笑顔でそう申し出ると、その場は三秒ほど沈黙した。しかし三秒後、

「名案ね! 跡継ぎの懐妊とともに結婚! 素晴らしいわ!」

ご両親は再び歓喜した。
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