My life〜鎖を解いて〜
「そうか。辛かったよな、美月。頑張ってたんだな」

上原先生にそう言われ、私は小さな子どもみたいに泣いてしまった。上原先生は優しい表情のまま言う。

「美月、自分の人生は自分だけのものなんだ。例え親であっても未来を奪うことは許されない。美月の心や人生はお金じゃ買えない。世界でたった一つだけの大切なものなんだ」

誰の為に生きているのか、今までわからなかった。鎖に捕われて、両親の言いなりになることが正しいと信じ込まされていた。

「私……両親の勧める高校に行きたくありません!」

一人では一歩を踏み出せない。だから、上原先生に背中を押してもらおう。私はそう決めながら、涙を拭った。



それから数年後、私は「懐かしいな」と呟きながら通っていた中学校に足を運ぶ。

「上原先生!」

私が職員室を覗くと、上原先生が「美月!」と嬉しそうに手を振ってくれた。そして私は近状報告をする。

「近々、カナダに行くことになりました。やっと自分の人生を歩んでいる気がします。これも全部先生のおかげです。ありがとうございました」
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