My life〜鎖を解いて〜
先生が背中を押してくれたことで、私は両親に自分の気持ちを全部ぶつけた。両親の勧める道が自分にとって幸せではないこと、もっと遊びたいこと、普通に生活したいこと、全部吐き出した。

家からは追い出されてしまったけど親戚の家でお世話になり、高校はエリートばかりが集まる高校じゃなくてごく普通の偏差値のものを選んだ。友達と遊んで、部活をして、バイトをして、本当に楽しい三年間だった。

楽しい高校生活をするうちに海外に興味が出て、高校二年生の頃に一ヶ月間カナダに留学した。そこでカナダで会社を経営している叔父さんと再会し、「よかったらうちで働かないか?」と誘われたのだ。

「美月が幸せになってくれて、本当に嬉しいよ。色々大変だと思うけど、先生はいつまでも美月を応援しているから」

上原先生に優しく微笑まれる。あの時と同じ優しい目だ。私もニコリと笑う。

「ありがとうございます!」

何もかも嫌になる前に、鎖の鍵を解いた。その先に広がるのは自由。

中学校の門を抜けた後、私は青空に向かって手を伸ばした。
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