今宵、キミが砕け散る

 どうして、助けようと飛び出したんだよ!?!?

 どうしようもない位、汚い感情が俺の中を渦巻いていく。

 『伊沢総合病院に、いるから……そこに、流羽も、俺も、皆いるから……』

 「ヤスん家の……?」

 『ヤスも、いま、向かってるって……』

 「っ、行き、ます」

 通話を切って俺は走り出した。

 早く、早く早く早く!

 気持ちが急かすばかりで、体が追いついていかないのがもどかしい。

 もしかしたら、なんて思ってしまう自分を隠しきれない。

 俺、まだあんたに、何も言えてない。


 
 
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