シニアトポスト
「私はそのままの莉央が好きだよ」
いつしか、そう言って可愛く笑う莉乃のことすら私は信じられなくなっていた。
私と莉乃は双子だけど同じじゃない。
そんなことは分かった上で、顔も趣味も同じなのに、好かれるのはいつも莉乃だけだと思い知らされるたびに悲しくて消えたくなった。
私だって、好きで不愛想になっている訳じゃないのに。
誰も理解してくれないし、しようともしてくれない。
莉乃はずるい。莉乃が羨ましい。
私は全然ダメダメなのに、莉乃はすごい。
いいなぁ、莉乃は。
いいよね、莉乃は。
積み重なった負の感情が爆発したのは、高校3年生の時だった。
生まれて初めて好きな人ができた。
私と莉乃と同じ部活の後輩の男の子。優しくて、背が高くて、かっこいい。付き合ったらすごく大事にしてくれそうな雰囲気のある、そんな男の子だった。