最後の一夜が授けた奇跡
ベッドの上で絶対安静の私にお勧めの本や雑誌を毎日差し入れしてくれる律樹。
つわりが悪化して、ほとんど食事をとれない私を心配して、私の好物を買ってきてくれた。

これはこれで負担をかけていると思いながら、私は悪化するつわりに考えを巡らすことができなかった。

面会も私の体の負担を考えて一回につき15分までと決められていたため、律樹はあっという間に帰る時間になってしまう。

私たちは再び離れて過ごすようになった。


律樹は私が入院してから自分の部屋に一度戻ったらしい。
それだけでも仕事への往復が楽になるはずだ。

限られた時間の面会でも、お互いにお互いの体調を心配して終わってしまう私たち。
でも、つかの間の顔を合わせられる時間が幸せだった。
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