最後の一夜が授けた奇跡
「こんな幸せなことないって思ってる。俺ってすごく幸せだなっておもってるんだ。」
「・・・」
まっすぐな言葉で伝えてくれる律樹。

「だから、この幸せを手放したくない。つかんで離したくないって強く思ってる。俺。ほかに今まで欲しいものなんて何もなかったのに。」
「・・・」
「幼い子供みたいだけどさ。季里とのことだけはあきらめられない。絶対に手放したくない。」
「・・・」

「季里にこんな風につらいおもいさせてごめん。」
「・・・」
「俺がこんなだから季里にこんなにいっぱい考えさせて、つらい思いさせて、自分のこと責めさせてごめん。」
「・・・」

首を横に振る私に律樹が優しく微笑む。

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