最後の一夜が授けた奇跡
第12章 ~新たな試練~
2週間後。
なるべく安静に過ごしていた私。

病院での診察があり、貧血はあるものの体は安定していて赤ちゃんも大きく育っていた。

ちゃんと人のカタチになっている赤ちゃん。

いつもエコーを見る時、私は律樹の顔を見てしまう。
嬉しそうに目を丸くして見ている律樹。

その表情に私もうれしくなる。

初めて母子手帳も使うときが来て、私は受付で母子手帳を出す時にも胸がきゅんとなった。
律樹が受付で話をしてくれて、母子手帳の表紙にまだ名前を書いていないことを伝えてくれた。

籍を入れたら私の苗字が変わる。
だからこそ、まだ名前は記入をしていない。

事情を知った受付の人は付箋で私の名前を母子手帳に貼ってくれた。
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