最後の一夜が授けた奇跡
切ない気持ちを思い出すとき、私はすぐ近くにいてくれる律樹に抱き着く。

そのぬくもりに、思いだした切なさで心が痛みそうになる前に、励まされ、落ち着かされる。


こんな時、律樹は私に何も聞かずに抱きしめ返してくれる。

何か不安な気持ちがあるのだろうとわかってくれているのだと思う。


「ベビーベッド、昨日届いてたから組み立てないとなー」
「箱、開けた?」
「まだ」
話題は赤ちゃんの名前についてと、いろいろと買い揃えるものの話が中心だ。

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