シュンの恋外伝2
羨ましい山田
二時限目が終わった休み時間

「よっ!シュン」

「あ〜山田かぁ〜」 

「あ〜じゃないよ〜なに難しい顔してんだ?」

「うん、まぁ〜チョット考え事をね」

「えっ、シュンが考え事?」

「まぁね〜」

「ひょとして、チョコ貰えなかったとか?」

「あ〜いや、それなりに貰えたんだけど〜」

「それなりって・・・何個貰ったんだよ」

山田は、少し近いて聞いてきた。

(近い近い)

シュンは、少し身体をずらしながら答えた。

「あ〜たぶん12個」

(いつ数えたんだ)

「えぇ〜〜12個〜」

(マジでぇ〜)

山田は、急にデカい声を上げた。

「声デカいって」

「あっ、すまん、でも・・・12個って・・・」


ブサ面ファイブ達はシュンに冷たい視線を送っていた。

「まぁ、去年よりは少し多いかな」

「マジかぁ〜〜去年は何個貰ったんだよ〜」

山田は、投げ捨てた様に聞いてくる。

「去年は、たしか・・・10個だったかなぁ〜義理チョコばかりだけど」

「義理でもいいじゃないかよ!」

(どうせ俺は)

「あ〜たしかに」

「でっ、何を考え事してたんだ?」

(シュンの事だからメグミさんとの事かなぁ〜)

「まぁ〜たいした事ではないよ」

「なんか、気になるなぁ〜」

「まぁ、本当たいした事ないからさ〜ところでリエさんから貰ったのか?」

「あっ、いや、まだだけど〜」

「そうか、帰りかな?」

「あ〜〜たぶん・・・」

(なんか、心配になってきた)

そこにリエが現れた。

「山田君、シュン君、何を話してるの?」

「あ〜シュンは今年は、12個だと」

「ヘ〜〜シュン君、もう12個なんだ〜」

(スゲェなこいつ)

「あ〜まぁ〜」

トイレから戻って来たメグミは優しくシュンを睨んでいた。

『ジトッ!』

(ハァー12個ですって〜)


『ブルッ!』

シュンは寒気を感じた。

(あっ、聞かれたかな?)


「でっ、シュンは昼休み」

山田が、そこまで言った時三時限目のチャイムがなり、リエは自分のクラスに戻った。


山田は、席に付き少しシュンを羨んでいた。

(あ〜シュンはいいよなぁ〜)

「フゥ〜」

鼻で溜息をつきながらブツブツ言っていた。

「シュンってお断りファイブ筆頭なのに何で………」



メグミは、何やら考えているシュンとブツブツ言っている山田を交互に見た。

(シュン君は、チョコたくさん貰ったのに何を考え混んでいるんだろう…山田君は……たぶん羨ましそうにしてたから何となく分かるけど〜)


(誰があの手紙書いたのかなぁ〜)

リエは、鼻をヒクヒクさせながら考えていた。

(やっぱ、コッソリ覗かなきゃ!)

リエは、微妙なポーズで拳を握っていた。

「ヨシッ!」


    ・・・続く・・・


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