君中毒-Another Stories-
……そして、それから。
「―…はーい、目線こっちね!」
「…………」
「笑顔でポーズお願い!」
「…………」
(無理矢理)コスプレ大会になってしまいました。
カシャカシャというフラッシュ音と、共に降り注ぐ光。
こんなコスプレに写真を撮る意味なんてあるのかな…
早く脱ぎたい…
てか、早く帰りたい…
もうすぐドラマの再放送始まっちゃうよ!
今日は最終回なのに!!
「…どした?トイレ?」
坂井さんの言葉にハッとする。
ゆいは、無意識のうちにうずうずと体を揺らしていたようだ。
「…いや…トイレじゃなくて………早く帰りたいなー、なんて…」
「えー?もう?」
「こんなの、ゆいじゃなくて…プロみたいな人に頼めばいいんじゃ…?」
溜め息をつきながら、横目で坂井さんを見た。
―…なぜか、途端に坂井さんの顔付きが変わる。
「嫌だ。」
「…え?」
吊り上げた眉が、表情に真剣さを感じさせた。
…今の、何?
「それは嫌だ。」
「……はぁ…」
…いきなり何?
ゆい…地雷踏んだ?
でも、今の会話のどこに地雷があったのかな…
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