君中毒-Another Stories-
今のゆい、絶対耳まで真っ赤になってる…
ありえないよ。
何、真っ赤になってんの。
何、緊張してんの。
ゆいが緊張する場面じゃないよ。
「…それで、プレゼンは上手くいったんですか?」
「あぁ、プレゼン?」
自分の様子を、話を変えることで隠す。
情けないなぁ…
こんな回避しか出来ないなんて。
「上手くいったよ♪」
坂井さんが、右手でピースを作って笑う。
「よかったですね。」
「ゆいちゃんの写真も資料にコピーして配ったんだけど評判よくてねぇ…」
「……………」
「チーフなんか、もう興奮しちゃって。」
「………へぇ……」
変態と変人ばっかの会社なのかな?
「今回は、新商品の提案できせかえミユちゃんをプレゼンしたんだよ♪」
「………………」
きせかえミユちゃん…?
あぁ、だから。
ゆいの写真が必要だったんだ?
「…でさ、チーフが今度ゆいちゃんに会いたいって言ってて。」
「………………」
だって、坂井さんは…ミユちゃんの制作者。
それ程、ミユちゃんが大好きなんだよね。
「…ゆいちゃん?」
そうだよ、ゆいはゆい。
『ミユちゃん』じゃない。
ゆいがミユちゃんに似てても、ゆいは偽物だもん。
「…おーい、ゆいちゃーん?」
どうしよ…
胸が押し潰される。
心臓が痛い。
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