小動物な後輩君の愛が深すぎる




「あ~腹減った」

「だね。早く帰ろう」



下校時間になったので樹と一緒に下駄箱へ向かう。



「今日は1日中ニヤニヤしてたね」

「……悪いかよ」

「別に~? 幸せそうだったし? 良かったね、好きな人に会えて」



言い返す言葉が見つからず、ニコニコしている樹をジーッと睨んだ。


樹は俺がいない間にちゃっかり彼女を作って、リア充を満喫している。

相手は中学の同級生で、高校は違うものの、時々放課後デートをしているらしい。


とはいえ、俺と過ごす時間も作ってくれるから、いい男すぎてツッコミどころがない。


今日は感情がうるさい1日だったな。

まぁ、楽しかったからいっか。



「あ、青石先輩だ」

「えっ、どこ」

「あの背の高い人の隣」



背の高い人? 隼くんのことか?

目を凝らして前方を見ると、その隣には隼くんではなく、今朝見た華やかな顔の男の子がいた。


……あれ、なんでだろう。
今朝も仲良さそうに話してたの見たはずなのに。

なんかモヤモヤする。



「……もう少ししてから帰ろうか」

「……うん」
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