危険な溺甘同居、始めます!
彼方くんの独占欲
幸せな夢を見た。
彼方くんと付き合うことになったのだ。
暖かくて、心地いい。嬉しい。夢の中の私はずっと笑っていた。
「……一華」
夢の中で彼方くんが私の名前を呼ぶ。優しい声。
でも、その声が聞こえた瞬間、夢の中にいた彼方くんは遠ざかっていって、だんだん暗闇に光が入る。
「おはよう、一華」
ゆっくり目を開けると、近くで微笑む彼方くんの姿が見えた。
……?あれ、朝…?
眠くて重たい目をこすって体を起こした瞬間。
「…っわあ!!」
突然彼方くんに身体を引き寄せられて、あっという間に彼方くんの腕の中。
な、な、な……っ!!夢じゃない!!そうだ、私昨日、彼方くんに好きって言った……っ!
「はー、朝から可愛い」
私の肩に顔を乗せてそういう彼方くんに、ぶわっと顔が熱くなる。