君は桜色。
「......嘘...。」

呆然とする咲菜の手を、
そっとカミソリからほどいて
歯をさらに食い込ませる。

痛みに耐えきれずに
そのまま崩れ落ちた。



「咲菜.........好き...だよ..
今...まで......ごめ...ん.........。」




視界がぼやぼやと歪む。

研究は中止だ。

これで咲菜も自由になるのだろう。

すべて、解決だ。









すべてが丸く収まった世界で、
僕はただ1人静かに目を閉じた_

                Fin.
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