俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~


「ところで、橘さん、何を知ってるの?」

ここはお昼にしては個室だったし、高級和食の前菜が目の前に配膳されているし、風波部長はサシで話しをしようとしているのだとわたしも腹をくくった。

「大丈夫よ。会社には、あなたとわたしはクライアントの会食があると言ってあるわ。社内に戻らなくても誰も不思議には思わない。」

「そうですか。わかりました。では、わたしも知っていることを話します。」

「ええ。」

風波部長が姿勢をただした。
わたしも背筋を伸ばす。

「わたしが知っているのは、わたしが風波部長の姪っ子だということです。」

風波部長の顔が歪んだ。

「やっぱり…。それで?それを知ってどうしたいの?」

「風波部長にこれを、読んでいただきたいと思ってます。」

「何なのよ。コレ。」

わたしは、古びた小さな、けれど分厚い日記帳と、アルバムを手渡した。


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