言えない二人
「なんか髪サラサラだし。いい匂いする。」
私の長い髪に触れる彼の手
動けずに固まったまま、タイスケくんを見る私
髪に目を落とした後、私の目を見つめる
やばい、心臓、バックバク
「おいタイスケ、なにやってんの?」
ある人物により、一瞬にして引き戻された。
森本ユウトくん。タイスケくんと同じサッカー部で、クラスでも二人はよく一緒にいる。
「やべ、みつかったー!」
みつけんのはえーよ。とだるそうに立ち上がり、
ユウトくんにより無理やり連れていかれるタイスケくん
「え、なに今の」
私の体は熱くなっていて、先程まで触れられていた髪の毛まで熱くなっている気がした。
「ももおまたせー。ごめん遅くなって!」
しばらくして戻ってきたしおと慣れた道を帰りながら、私は放課後あった出来事を話した
「そんなことがあったの?!」
ももにもついにそんな時が来たかーなんていうしお
「イケメンってすごいとおもいました」
だって、ちゃらくない?!
全然話したことない女にいきなり可愛いだとか髪触ったりとか
「好きになったら沼だねー」
恋愛経験豊富なしお様が言うんだから、間違いない。