こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー
ボールが跳ねる音とシューズの音をBGMに赤本を眺める。
チラッと赤本から顔を上げるとコートで綺麗に跳ぶ彼が目に映った。
あの時から変わらない綺麗なフォームについ見とれてしまった。
なぜかこうして夜の練習にほぼ毎回付き添いをさせられる。
自分で作った社会人チームがあって、集まれる人はほぼ毎日夜にこうして練習をしている。
原高バレー部OBはもちろんだが、あとは最近関ヶ峰から長谷部先輩という、原高で言えば兼田先輩的ポジションの先輩がやって来た。
たまに練習試合として原高のバレー部ともやったりしてるらしい。
その時のマネージャーを頼まれたけどそれは全力で拒否した。
この付き添いだってめんどくさいなら断ればいいはずなのに、ああやって言われるとなぜか断れない。
「…ほんと私、どうしちゃったんだろう…」
昔の私ならこんなことあり得なかったのに。