こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー
膝を抱えて顔を埋めていると何かが肩にかかった。
「…風邪ひかねぇようにな、受験生」
「心配するくらいなら連れてこないでよね」
足を崩して顔を上げると、肩にかけられたジャージを今度は膝掛け代わりにしてくれた。
その瞬間に匂う柔軟剤の香りにドキッと胸が高鳴る。
私の隣に座ってドリンクを飲んで休憩し出した。
そして私を見てはニヤリと笑う。
「その割には断らずにいつもついてきてくれるよな」
「っ!?べ、別に暇だから付き合ってやってるだけだし…っ!」
「はいはい。そう言うことにしといてやるよ」
「ちょっと!気安く触らないでよ!」
反発しても結局は奴のペースに飲まれて終わる。
撫でられた頭から全身に熱が伝わっていく。