へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 今日の昼間。

 雪城さんを囲む、マトイたち4人を見た。



 『雅くんは
  歌声に透明感があるよね』とか。


 『ドロ甘な綾星くんにはまる
  ファンの気持ち、私にもわかるよ』とか。


 笑顔で4人をべた褒めする雪城さん。



『本当ですか?』と、目を輝かせて喜ぶ
 あの子たちを見て、思っちゃった。



 私だって……

 みんなの良いところ
 たくさん知っているよ。



 私だって……

 みんなのこと
 たくさん褒めたかったよ。って。



 社長にお願いされて

 7年間も
 鬼マネージャーを演じてきたけれど。



 私があの子たちに怒鳴る意味、あった?



 ヤンチャだったあの子たちを
 言葉の暴力で従わせていただけで

 もっと引き出せたはずの魅力を
 潰していたのは、私なんじゃないの?

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