へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「マトイ、体がだるいんじゃない?」
そう言いながら伸ばした、私の手のひら。
マトイの額に届く寸前で。
パシン。
怒りを瞳に宿したマトイに、振り払われた。
しかも、思いっきり。
う……
地味に痛いじゃん。
それに、私を拒絶するような目で
睨まないでよ。
私は普段、
冷酷マネージャーを演じているだけで。
本当は、心が脆くて。
傷つけられると
すぐに折れちゃうんだから。
早く、怖い鬼のお面を
顔に貼りつけなきゃ!!
そう思うのに。
ポキっと折れた心が
漆黒の海に沈んでいって。
浮き上がろうとさえしてくれない。
ひきつった私の顔。
怒ることも、笑うこともできず
能面のように固まったまま。
その時。
聞き間違い?
そう思えるほど弱々しいマトイの声が、
私の耳に届いた。