【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

「まりあが元気ならそれでいいんだけどさぁー…ねぇ、まりあ聞いて。俺大学卒業したんだ。
春からは大学院に行っていてね。」

「うん、うん…」

「考古学の研究をしててさ。結構忙しいんだぁー…彼女達も大分減ったぁー…。
あ、それにね、まりあに食べさせたいスイーツのお店があるんだ!渋谷にあってね、すっごく並んでるんだけど大学の友達がオーナーの知り合いで予約は簡単に取れるよ!
今度一緒に行こうよ。」

会わなかった時間に話したい事が沢山あるようで、大きな瞳をキラキラと輝かせて私の手を引っ張る。

横に座っていた朔夜さんが少しだけ苛々した様子で貧乏ゆすりをしている。ちらりと横目で悠人さんを見て、言い捨てる。

「うるせぇよ、悠人。」

「うるさいって酷いよぉ。朔夜だってまりあに会いたがってたじゃんかー…」

「うるせぇって!静かにしろ。」

智樹さんは弁護士の先生に挨拶をして、何やら話をしている。 智樹さんは朔夜さんをちょっぴり睨んで、悠人さんが私の手をぎゅっと繋ぎ小声で耳打ちしてきた。

「…まりあ、智樹さんに閉じ込められてたんでしょう…?」

「閉じ込められてたっていうか…」

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