【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

「本当に智樹さんは酷い人だよ…。そんな人だとは思わなかった…。
朔夜…本当にまりあを心配してたんだ…。けれど助ける事が出来なくって…」

「悠人さんちょっと待って…。私がここに帰って来たのは自分の意志だよ…」

「じゃあ、まりあは望んで智樹さんと一緒に居るって事?」

「…なんて説明したらいいのか分からないんだけど…」

「まりあ…朔夜の事が好きなんだろう? 朔夜もまりあの事が好きだよ。そんなの、傍から見てれば分かるよ…。
朔夜はさ、春太さんの遺産の件や横屋敷グループの話が終われば、この家と縁を切るって言ってた。それってきっとまりあの為だよ。
俺はまだ学生の身だから横屋敷家や智樹さんにお世話にならなくちゃいけないけど、朔夜は今までしてきた仕事でコネクションもあるだろうし、大丈夫だよ。まりあの為に動いてるの、分かるし。
まりあは何も心配しなくっていい。朔夜と一緒にこんな館から逃げちゃいなよ。…俺協力するし!」

「悠人さん…。」

悠人さんの真っ直ぐな優しさは痛い。
私は果たして、朔夜さんと一緒に居る資格はあるのだろうか。
既に体の隅々に智樹さんの匂いや熱が染みついてしまってる気がする。

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