転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
アイリーシャに求められるのは、能力を国のために役立てるか、公爵家の娘として社交上の付き合いを広げていくかの二つに一つだ。
そして、社交上の付き合いを広げるという選択肢は、最初からアイリーシャには存在しなかった。そんなことをしては、地味に目立たず生きていくという野望が、無駄になってしまう。
(十年の間に、お兄様達はしっかりと自分の道を歩み始めている。私も頑張らなくちゃ)
「ミカル先生が、研究所においでと言ってくださったから、大丈夫だとは思っていたけれど」
「お前、四属性が綺麗に均等なのは変わらないんだって?」
「ええ。研究所には昔の文献が山のようにあるけれど、読めないものも多いんですって」
王立研究所には、古の魔術師達が記した書物もたくさん置かれている。だが、中身を簡単に読めないように、様々な魔術的保護が施されているものも多い。
保護魔術を解読すればすむものはまだよいのだが、火属性と風属性を一定以上持っている者でないと、開くことすらできない本もある。
そして、社交上の付き合いを広げるという選択肢は、最初からアイリーシャには存在しなかった。そんなことをしては、地味に目立たず生きていくという野望が、無駄になってしまう。
(十年の間に、お兄様達はしっかりと自分の道を歩み始めている。私も頑張らなくちゃ)
「ミカル先生が、研究所においでと言ってくださったから、大丈夫だとは思っていたけれど」
「お前、四属性が綺麗に均等なのは変わらないんだって?」
「ええ。研究所には昔の文献が山のようにあるけれど、読めないものも多いんですって」
王立研究所には、古の魔術師達が記した書物もたくさん置かれている。だが、中身を簡単に読めないように、様々な魔術的保護が施されているものも多い。
保護魔術を解読すればすむものはまだよいのだが、火属性と風属性を一定以上持っている者でないと、開くことすらできない本もある。