腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
俺は風呂に一緒に浸かりながら、中学時代にまで遡って、坂上姉妹の天使の写真から始まった一連の出来事を話した。

光はただただ驚いていた。

自分だけが知らされていなかった事に憤慨しつつ、今となっては江上が絡んでいるとわかったので、怯えてもいた。

「だからミサの時、いつも賢人と鉄平がいたんだね。
鉄平がメグのそばにいるのは見慣れ過ぎていたし、賢人は鉄平の親友だからだと思ってた。
それに信者だしね。
控室付近にいても違和感なくて」

「……俺は自分で光を守りたかった。
だから、臨時会議に呼ばれた時は、有り難かった。
……なぁ、もうわかったか?」

「え? 何が?」

「『聖堂館学園には天使の姉妹がいる』
……それが坂上姉妹だ」

「……うん? えーと、そうなんだね?」

「じゃあもう誤解していない?」

「誤解?……うん。
天使は姉妹なんだよね?」

これ本当に理解出来ているのか…?
あまりにも鈍感で、そのまま流してしまってたけど、ちゃんと理解してもらわないと困る。

「そう。天使は姉妹。
昔、言ったよな?
姉妹という事は、どっちも天使なんだ。
……俺の好きな子は、天使。
天使の姉の方だ」

「……」

「ひとつも嘘はついてないぞ。
妥協もしていない。
俺の言った言葉、ちょっと思い出してみろ」

あ、また唇を尖らせている。
考え込んでいるな。
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