腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「ずっと、私、何で結婚願望皆無なんだろう、って思ってたの。
でも、今気付いた。
賢人を除外していたからだ。
私は賢人の本命じゃないからって、そう思ってた。
だから、結婚したいって思える人、いなかったんだ……」

光……

「私、賢人なら結婚してもいいなぁ……」

「……‼︎」

「まんまと馴らされちゃったよ。
……好きに決まってるじゃない」

「光……」

すっかりぬるくなった湯がバシャッと音を立てる。ずっと後ろから抱きしめていた俺を振り返り、上目遣いで光が言う。

「ねぇ賢人、責任とって?」

「とる!
光、好きだ! 結婚しよう!」

「うん。する!
賢人、だーいすき!」













……よし。
言質は取ったぞ。
これでこの天使は俺のものだ。
長かった……。
しかしやっと身も心も手に入れたぞ!

これから結婚に向けてやるべき事を、頭の中で組み上げていく。

まずは改めて坂上家に挨拶に行こう。
それから、うちの実家にも連れて行って……。

あー、指輪も用意しないとな。
けど、俺の休みに合わせてたら、中々進まないだろうな。

せめて、異動先はもう少し近くがいい。
4月の異動先、どこになるだろうな……。






しかし、翌日、事態は急展開を迎える。







< 140 / 215 >

この作品をシェア

pagetop