腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「もう!
娘になる子にセフレ事件を知られているって言うのも…隠し事のできない世の中ねぇ…。」

恥ずかしそうに頬を押さえる結衣子先生は、とっても可愛い。
年齢よりずっと若く見える。

「そのお相手が独占欲からキスマークを付けているのは間違いないわね。」

「やっぱりそうですよね!
ということは、その彼はお姉ちゃんを好きなんですよね?」

「うん。それは間違いないと思う。
息子の嫁にぶっちゃけるのもどうかと思うけど、私がセフレだと思っていた間ね?
亮平はいつもキスマークを付けていたの。
でも私は、それが独占欲かどうかわからなかった。ちょっと行き過ぎた行為なのかな?とか、勢い余って…とか、そう思い込もうとしていたの。
それはね、もう知っているだろうけど、亮平から言葉がなかったから。
最初から『好きだ』とか『愛してる』って言葉があれば、そんな風に思い込む必要はなかったのよ。
つまりね?
思い込もうとしていた自分がいるの。
言葉がないために、不安で、自信が持てなくて。その時はキスマークを付けられているからって、それが安心材料にはならなかったのよ。今なら安心材料だったんだってわかっているけどね。」

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