腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
新年度になり、俺は高三に進級。
そして光は女子大生になると同時に、一人暮らしを始めた。

俺は当然のように合鍵を要求し、簡単に言いくるめられた光から、合鍵をゲットした。

うちは男2人兄弟で、元々放任だったため、ほぼ毎日、光の部屋で夕飯を食べる事にした。
もちろん食費は入れる。

実は俺には微々たるものだが、収入源があった。
それはモデルのバイトだ。
と言っても、一般的なモデルではない。
ヘブンリーゲートブリッジホテルや岩橋屋旅館の、ポスターやパンフレットのモデルだ。

元々は兄貴がその役割を務めていた。
しかし、海外研修中はモデルが出来ない。

そのため、ほぼ背格好が同じ俺が起用された。
少ないけれど報酬も出る。

バイト禁止の学園だが、家の手伝いとなれば話は別だ。

そういうわけで、収入は全て光に渡していた。

最初は戸惑っていたようだ。
しかし、俺の好物のメニューを沢山作ってもらうから、という、かなり自分本位な理由を言うと、またすんなり受け入れた。

正直、こんなに付け入りやすい……いや、素直だと、この先大丈夫だろうか……⁇ と心配になった。

とにもかくにも、スタートが肝心。
俺は早い段階で、一人暮らしに俺という存在が完全にはめ込まれた状況を作り上げた。

これがスタンダードだと、光は馴らされる。
刷り込み、それが俺の狙いだった。

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