私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「どういうつもり?また、私の友人を軟派するつもりでしょう?」
「心外だな。水瀬家に居候してる身だし、役に立とうと思って」
彼のヘラヘラした物言いが信用できず、スーッと目を細めた。
「役に立ちたい人が女の子の寝室に勝手に入って襲う?」
「尊だってお嬢ちゃんの寝室に出入りしてるじゃないか」
チラッと尊に目を向けて反論する隼人にすぐに反応したのは私ではなく尊だった。
「私は執事として撫子お嬢さまのお世話をしているだけです。襲ってはいませんよ」
無表情でそんな主張をする尊に突っ込みたくなる。
別荘の露天風呂で私に触れてキスしたのは誰よ。
だが、口に出しては言わず、仏頂面で彼に命じた。
「尊、車からこのチャラ男を追い出してよ」
「もう時間がないからこのまま行きます。撫子お嬢さま、早く乗ってください」
懐中時計を見ながら言う尊の言葉に従い、車に乗車すると彼も続いた。
「隼人、早く車を出してください」
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