私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
「大丈夫。チャラ男は当てにしてないから」
私の返答に「そんなあ」とガクッと項垂れる隼人。
お陰で側溝にタイヤがはまり車がガガガッと揺れた。
「キャッ!」
前のめりになる私を尊がすかさず支える。
「大丈夫ですか、撫子お嬢さま?」
彼の顔が目の前にあってドキッ。
「う、うん」
動揺しながらも返事をすると、尊が隼人を注意した。
「隼人、もっと慎重に運転するように」
「ハハッ、ごめん。風磨家にいた時、いつも車は運転手がしてたからさあ」
隼人の言い訳に後部座席に乗っている私たち三人が冷ややかに言った。
「だったら運転席に座るな!」
「ごめーん。でも免許はちゃんと取ったから」
基本ポジティブシンキングの隼人はへこたれずに、運転を続ける。
私が「大丈夫なの?」と声を潜めて尊に問うと、彼は溜め息交じりに答えた。
「私がアシストしますから大丈夫です。それに、もう彼にハンドルは握らせませんよ」
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