私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
人間と同じで十歳くらいと思ったら、とんでもない答えが返ってきた。
「えーと、四百九十九歳」
指を何回も折って数えながら彼は答える。
「ええ〜、もう五百年も生きてるの〜!」
おじいちゃんじゃないの。
素っ頓狂な声をあげたら、彼はそんな私を見て面白そうに笑った。
「妖の中では若い方だし、妖は五百歳から大人なんだ。何千歳っていうのもいるしね」
琥珀くんの話に一瞬絶句する。
何千歳の妖から見たら、私なんて赤子のようなものよね。
「……何千歳なんているんだ。凄いね」
「でも、人間みたいに短命の方がおいらはいいと思う。桜みたいでさあ」
琥珀くんの発言を聞いて、彼の肩をポンと叩いた。
「おっ、桜のよさがわかるとはおぬし通よのう。週末は花見に行こう」
琥珀くんを誘うが、過保護な執事に反対される。
「こらこら勝手に決めないでください。週末は日舞の稽古がありますよ」
「花見くらいいいじゃないの。桜はすぐに散っちゃうのよ」
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