逢いたくて・・・今 律子side
そんな日々が続いて2か月。こんな私にチャンスがやってきた。総務課長の神戸転勤、送別会。秘書課にもお呼びがかかった。川谷さんは、係長だから、当然、出席だ。

「かんぱ~い!」

から始まって、私は、どんどん、飲んでいった。そして、ベロベロに酔っている振りをした。

「大丈夫、日下部くん?」

もう私のボーイフレンドリストに載っている大野くんが言った。え~い、今、気にしてほしいのは、あなたじゃないのよ。

「大丈夫よ。ちょっとトイレ」

トイレに立って、メイクを直し、態勢を立て直す。本当はちっとも酔っちゃいない。この2倍でも3倍でもしらふで酔った演技をする自信がある。

さりげなく川谷さんの隣に座って、ふらふらふらふら・・・と肩にもたれかかる。

「大丈夫?タクシー呼んであげるよ」

おっしゃ!!きたー!!ここまでくれば私のものよ。

私は、タクシーに乗り込むときに、和弘の腕を引き寄せ、一緒にタクシーに乗せた」

「ちょっと!!日下部さん!!」

「部屋まで送って行って」

仕方ないなぁ、といった表情になる和弘。やったね、いっちょあがり。

ふらふらする足取りの振りをして、キーを和弘に渡す。

「開けたよ。じゃあ・・・」

「ベッドまで、連れて行って!!」

「何言ってんだ」

「歩けないのよぉ」

「仕方ないなぁ・・・」

和弘に寄りかかり、ベッドまで行った。ここからだ。

ふらついたふりをして、和弘をベッドに押し倒し、深いキスをした。そして、つぶやいた。

「愛してる・・・」

最初は、抵抗していた和弘も、やがて大人しく私に抱かれた。

朝起きたら、和弘はいなかった。想定内だ。びっくりしたのが、

「今日、香耶乃と話してくる。7時に、Angel Soulで」

え!ばっかじゃないの?一回寝ただけで。なんだか面倒くさいのと関わっちゃったなぁ。

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