耽溺愛2-クールな准教授と暮らしていますー
潤んだ瞳を細め、哀しそうに眉根を寄せた美寧。
彼女を傷つけてしまったと、焦った怜がもう一度謝ろうと口を開きかけた時、美寧は言った。

「なんで………なんで、やめちゃうの……?」

「え?」

「わたし……なにか失敗しちゃった…の……?」

「ミネ?」

「声、我慢できなかったから?……ごめんなさい、どうするのが正しいのか分からなくて……今度はちゃんと我慢するから……だから………」

美寧は今にも泣きだしそうな顔で怜を見つめて言った。

「だから、やめないで———れいちゃん」

これ以上ないほど瞳を大きく見開いて、息を止めた怜。そんな彼に美寧が縋りつくように抱き着く。

「わ、わたし……ちゃんと、分かってる……そのっ、…恋人同士が何をするかって…こと………あの、だから……だいじょ、うぶ……」

真っ赤な顔で恥じらいながらそう言った美寧に、怜の方が驚いた。
何も知らないと思っていた恋人が、いつの間にかそんなことを考えていたなんて———

しかもそれを彼女に言わせてしまった自分が情けない。
不甲斐ない自分に思わず溜め息がこぼれる。

怜の溜め息に、何を勘違いしたのか美寧がぎゅっとしがみ付きながら言い募る。

「私……あの時……そ、颯介君に掴まれた時、…すごく嫌だった。……手首だけだったけど、それでもすごく嫌だったの!」

その時のことを思い出したのか、美寧の顔が苦しげに歪んだ。

その辛そうな表情に、怜は彼女の左手首をそっと優しく撫でる。すると美寧はホッと肩の力を抜いた。

「でも、れいちゃんに触られて嫌だったことなんてない。だって、れいちゃんだから……れいちゃんが好きだから、私……だから……」

一生懸命言い募る美寧の様子に、腹の底から愛しさが込み上げる。
怜はその体をギュッと抱きしめると、おもむろに抱き上げた。

「きゃっ」

突然持ち上げられた美寧は、驚いて怜の首に抱き着く。こどもを抱きかかえる時のように軽々と彼女を持ち上げた怜は、目を丸くしている恋人に微笑んだ。


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