偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
水屋でトラブルがあっても、茶会自体は順調に進んでいく。
ここではお客はもちろん、表でお茶を点ててもてなすのは社長や社長夫人、ご令嬢といったセレブだ。
私のような一般人はいつも裏方の水屋仕事。
しかしそれが、嫌だと思ったことは一度もない。
きっと、裏方が向いているんだと思う。
片付けが終わり、私だけ家元に呼ばれた。
「今日はご苦労様でした。
ところで、茶碗を割った当の本人からはなんの謝罪もないのですが、どうなっているのですか」
「それは……」
家元の目は、私を責めている。
彼女はその後、具合が悪くなったと帰ってしまったと聞いていた。
体調がすぐれないなら仕方ないが、せめてそこは家元に詫びの電話なりメールなりくらい入れるのが筋だろう。
「……申し訳ありません。
あとで私から、連絡を入れてみます」
「そういう気持ちだから、大切な茶碗を割ったりするのではありませんか」
彼のいうことはもっともすぎて、返す言葉もない。
セレブ相手の茶会を多数催すお茶教室、手伝いでも参加すれば知り合う機会もあるのでは、なんて軽い気持ちで入門してくる人間があとを絶たないから。
ここではお客はもちろん、表でお茶を点ててもてなすのは社長や社長夫人、ご令嬢といったセレブだ。
私のような一般人はいつも裏方の水屋仕事。
しかしそれが、嫌だと思ったことは一度もない。
きっと、裏方が向いているんだと思う。
片付けが終わり、私だけ家元に呼ばれた。
「今日はご苦労様でした。
ところで、茶碗を割った当の本人からはなんの謝罪もないのですが、どうなっているのですか」
「それは……」
家元の目は、私を責めている。
彼女はその後、具合が悪くなったと帰ってしまったと聞いていた。
体調がすぐれないなら仕方ないが、せめてそこは家元に詫びの電話なりメールなりくらい入れるのが筋だろう。
「……申し訳ありません。
あとで私から、連絡を入れてみます」
「そういう気持ちだから、大切な茶碗を割ったりするのではありませんか」
彼のいうことはもっともすぎて、返す言葉もない。
セレブ相手の茶会を多数催すお茶教室、手伝いでも参加すれば知り合う機会もあるのでは、なんて軽い気持ちで入門してくる人間があとを絶たないから。