オフィスラブはじまってました
「いや、思い出したんだ。
 逸子さんがいつも、女の子と出かけたときは、お財布は出させないように、と言っていたのを」

 それ、思い出したのは、逸子さんの言葉でしょうか。

 実は、私が女の子だった、という事実でしょうか。

 と思うひなとの前で、ひなとの母より少し年下くらいの女性店員さんが、

「まあ、いいご教育されてるんですね。
 うらやましいです」
と笑う。

 そして、ひなとが書き上げた住所を見、
「えっ?
 ハッピーエンド荘?

 いいことありそうな素敵な名前ですね」
と言って、また笑っていた。






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