オフィスラブはじまってました
寝袋の入った紙袋を手に通用口から帰ろうとしたひなとは、休日出勤らしい同期の萩谷雅士と出くわした。
「お疲れっ、ひなとっ。
お前、アパート焼け出されたんだって?」
と雅士は陽気に言ってくる。
いや、陽気に言っているわけではないのだろうが、そんな風に聞こえた。
彼はいつも機嫌の良さそうな表情としゃべり方だからだ。
雅士は今風のイケメンなのだが、ちょっとチャラついた雰囲気で。
同期の中でも違うグループに属しているので、そんなに一緒にいるわけではない。
こうして出会ったとき、少し話すくらいの関係だった。
雅士が、
「今、何処に住んでんだ?
部屋決まったのか?」
と訊いてくる。