オフィスラブはじまってました
「わからないです。
 誰だかわからない人が遊びに来るんです」

「なんのホラーだ」

 怖いだろうが、と言われた。

「いえいえ。
 同じ社内の人なんですけどね。

 会うの二度目なんですけど、何処の部署の誰なんだかわからないんですよ」

 今度遊びに来られるそうです、と言って、
「お前、どんだけ人の顔と名前覚えないんだ」
と言われてしまう。

「いえいえ。
 そもそも訊いてないんですよ」

「まず訊け。
 っていうか、名前も知らないのに仲いいのか」
と言われて、ひなとは首を傾げる。

「いやあ……よくもないような……?」

 明らかに攻撃的な彼女の顔を思い出しながら、そう呟くと、
「じゃあ、なにしに来るんだ?」
と柚月が不思議そうに問うてくる。

「……なにしに来るんでしょうねー?」

 などと言っているうちに、お互い、食べ終わっていた。




< 221 / 576 >

この作品をシェア

pagetop