オフィスラブはじまってました
 誰かがこちらを凝視している気配を感じて振り向く。

 すると、若いがやり手と噂の檜村部長が壁から半身だけ覗かせて、こちらを見ていた。

 俺、なにかしましたかね……と雅士は怯える。

 なにか見張られている感じがしたからだ。

 柚月は、ひなとから、江戸文学に興味がある謎の女以外にも、緒方の従兄弟の雅士も遊びに来そうだという話を聞いて、警戒して見ていたのだが。

 そんなこととは知らない雅士は、仕事でなにか大変なミスでもしただろうか、と震え上がってしまったのだ。

「お、お疲れ様で~す」
と柚月に言った雅士は、そそくさとその場から逃げ去った。




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