オフィスラブはじまってました
「なんかまずいぞ。
 お前ら、なんの進展もないまま、仲いいお隣さんになりつつあるぞ。

 そのうち、柚月さん、彼氏できましたとか言ってきそうだぞ、あいつ」

 いや、あのハムスターに彼氏を作れる技量があるだろうかと思ったが。

 誰かが強引に出てきたら、ものすごい勢いで流されていきそうだ、とも思う。

 柚月は濁流に流され、南の島まで行ってしまうハムスターを思い浮かべた。

 麦わら帽子をかぶった、スカしたオスのハムスターの隣で、楽しげにウクレレを弾いているひなとハムスター。

 ……楽しそうじゃないか、と思いながら、柚月は緒方に訊いてみた。

「なんでそんな忠告してくれるんです?
 緒方さん、あのハム……

 ひなとのことをちょっといいと思ってませんか?」

 言ったあとで、此処は切り込まない方がよかったなと気がついた。

 もし、緒方に自覚がないのなら、逆に自分の気持ちに気づかせてしまうことになってしまうからだ。
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