オフィスラブはじまってました
「そ、空を見ろっ」
「UFOですかっ?」

 なんでレースのカーテンの閉まった家の中に居て、UFOに気づくんだ。
 何者だ、俺は……と思いながらも、柚月は言った。

「いや……、そうじゃなくて。
 食後に星でも眺めながら、珈琲でも飲んだらいいかと思って」
と言い訳のように言ってみる。

 いや、どんなロマンチストだ……。
 余計恥ずかしいことを言ってしまったじゃないか、と赤くなったのだが。

 ひなとは、ああ、と笑い、
「さては、柚月さん、やっぱり火をつけたくなりましたね」
と言ってきた。

 やっぱり火をつけたくなりましたねって、放火魔か、と思いはしたが。

 ひなとがそう思って納得してくれるのならそれもいいか、と思う。

「……珈琲とってくる。
 今日はシングルバーナーにしようか」
とすべては予定通りだ、という雰囲気を(かも)し出して言ってみた。

 はいっ、と笑って、ひなとが頷く。
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