オフィスラブはじまってました
 ガチャリと扉が開く音がする。

 出てくるな、ハムスターッ!

 出てきた瞬間に、猛獣に喉許、食いつかれるぞっ、と思ってしまう。

 だが、出てきたひなとに緒方は、
「早くしろよ、ひなと。
 遅刻するぞ」
といつもの調子で言ったので、

 なんだ。
 単に()かしただけかと思って、ホッとしかけたのだが。

「お前、日曜は暇か?」
と緒方は、ひなとに訊き出した。

 えっ? と言うひなとに、緒方は、
「日曜にジイさんが出てくるんだ。
 此処で食い止めねば、許嫁も出てくるようだ」
と言う。

「えっ?
 出てくるって、何処からですか?」
と言いながら、ひなとは遠くに見える山を見、近くに見えるゴミ箱を見た。

 いや、瞬時にどんな妄想してるんだ、お前は……。

 っていうか、なにかロクでもない展開になりそうなんだが、と柚月は青ざめる。




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