オフィスラブはじまってました
 そんな話をしながら、ひなとはチラ、とアパートの方を窺う。

 まだ201号室に明かりはない。

 柚月は網を置いてホイル焼きをやっているのとは別に、シングルバーナーでお湯を沸かしていた。

「秀継さん、お湯沸きましたよ」
と声をかけている。

「ああ、ありがとう。
 いや、皆さんもどうですか。

 カップ麺、一個しかなくて申し訳ないんですが、少しずつ」
と気の良い秀継が笑顔で言ってくるが、こちらこそ、申し訳ないので断った。

「いや~、うちにはカップ麺とかなくて。
 澄子が嫌うんですよねえ、そういうの」
と秀継は柚月にお湯を入れてもらいながら笑って言う。
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