オフィスラブはじまってました
「そうです。
 だから、誰かに見られたら、通りかかったフリをして違う場所に行けば怪しまれません。

 此処にいて、当然の人なんで」

「このアパートの別の部屋の住人が201号室も借りてるとか?」
と後ろから声がした。

 田中が階段を上がってくるところだった。

「いや、甘いものに目がないひなとがバウムクーヘンを前にして、何処かに行ったから」

 なにごとだろうと思ってついてきたと、田中は言うが。

 もしかしたら、自分とひなとが二人で消えたので、心配になって様子を見に来たのかもしれないと柚月は思った。
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