オフィスラブはじまってました




「冷蔵庫と洗濯機とテレビは設置してもらった方がいいだろう。
 運ぶのは炊飯器と電子レンジと掃除機くらいかな」

 はい、先生、と思わず言いそうになる。

「そのくらいなら、軽トラ借りなくても大丈夫そうだな。
 近くに実家があるんだ。

 車とってこよう。
 此処で待ってるか?」
と訊かれたのだが、

「いえ、ご迷惑でなければついて参ります。
 っていうか、ほんとうに申し訳ない」
とひなとは、柚月を拝む。

「でも、いいんですか?
 せっかくのおやすみなのに」
と訊くと、柚月は顔をしかめ、言ってきた。

「いや、余計なことをして、かえって申し訳ない気もしてるんだが。

 お前の話を聞いていたら、なんだか、ものすごい不安に襲われて……。

 交通量の多い道をひとりウロウロしている幼児を見つけたら、手を引いて、親のところまで連れていきたくなるだろう。

 あんな感じだ」
と言われる。

 どんな感じだ……。
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